東北学院幼稚園

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年頭所感-阿部正子園長-

2018年01月04日



 
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    幼稚園 園長 阿部正子

根を育てる

 
 新年あけましておめでとうございます。
 乳幼児期は根を育てる時期と言われています。
 しかし、人はどうしても地上部の葉や花や実にだけ目を奪われ地下部に根があることを忘れがちです。
 私は一昨年の造形展に訪れた際の佐々木哲夫学院長の一言を忘れることができません。ある「兎の絵」の前でしばし足をとめた学院長は、こう語りました。
「やっぱりここだね。大事なのは」
 その絵は決して上手い絵という訳ではありませんが、本物の兎を目の前にした時、その子がどんな思いを抱いたかを実に大らかに、実に素直に、実に楽しんで表現していたのです。
 私は、石井桃子さんの《大人になった時、あなたを支えるのは、子ども時代のあなたです》という言葉を思い出します。
 大事なのはここです。根を育てる乳幼児期なのです。
「先生!見て!キノコの階段があるよ」
「うわ~、ナメクジの大家族だ」
 園庭の枯れ木に生えた茸を階段に見立てていた子、プランターの裏に集まっていたナメクジに「家族」を連想して驚いていた子。
 私たち大人はこの子たちのように日々、どれだけ自分の思いを大らかに、素直に、楽しんで表現できているでしょうか。
「お店には売っていないんだよ。すごいでしょ」
 これは園庭のグミの実を食べた日、家に帰った子どもがお母さんに語った言葉です。東北学院幼稚園の恵まれた自然環境は、食の研究家、虫研究家、色水研究家、落ち葉研究家たちを大事に大事に育てています。そして小さな研究家たちの思いや願いを受けとめ支える先生たちがいます。
 昨年9月、東北私立幼稚園教員研修大会の公開保育を本園で行った時、助言者の東先生から
「遊びの時は元気いっぱいで、礼拝の時には集中して真剣に話を聞いて……すごい子どもたちだね」
という感想をいただきました。確かに東北学院幼稚園の子どもたちは元気いっぱいに遊び生き生きとしています。
「愛と勇気を持って、困っている子を助けたんだ」
 これは入学間もない1年生が家に帰って語ったという子どもの言葉です。困っていた友だちを助けたということを聞いた時に我が子に理由を訊ねると、
「幼稚園で習ったことをしてるだけだよ」
と、あっさりと、答えたと言います。
 誰もがいつでも言葉で表現する訳ではなく、表情やしぐさ・行動で表現する子もいます。そうして、葉を茂らせ花を咲かせ稔りの喜びに向かって、せっせと各自が自分の地下部の根を育てています。
 私たちは、そんな子どもたちに寄り添い、今後とも信念を持ってキリスト教保育を実践して参ります。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。