東北学院幼稚園

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年頭所感-阿部正子園長-

2019年01月04日



 
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    幼稚園 園長 阿部正子

見えないものに目を注ぐ

 

 新年あけましておめでとうございます。 
 昨年は大幅な定員割れとなったため、法人全体で園児数確保のために真剣な協議を重ね、具体的対策を講じていただきました。心より感謝申し上げます。
 新年度も厳しい状況は続きます。しかし、飛行機は追い風でなく、向かい風によって飛び立つということを胸に、この新しい年に希望を持って進んで参ります。
 昨年の評議員会の席で、一人の評議員の方から、「少子化の時代にあって運営は大変でも、東北学院が幼稚園を持っていることが重要です」という発言がありました。有難いお言葉でした。
 受験重視・進学重視、そこから派生する早期教育ではなく、幼児が「その時」を満ち足りた気持ちで生活できるような《人間の根を育てる幼児教育》に多くの人が関心を持ち、重視して欲しいと願っています。
 最近の青少年の犯罪報道に接する時に、思春期以上に幼児期に問題はなかったのか、幼児期にその存在を大切にされていたのか、幼児期に味わうべき満足感を十分に味わっていたのか、そんな疑問が湧いてきます。
 昨年四月から幼稚園教育要領が改訂されました。その基本的考え方は、目に見え分りやすい能力の促進以上に、子どもの心情・意欲等、目に見えない《非認知能力》を重視するという方向性です。
 これは、従来、キリスト教保育が受け継いできた『見えないものに目を注ぐ』保育そのものです。誰かが命令しても心は動きません。良い子になりなさい、優しくしなさいと言っても指示や命令では子どもの心は動きません。子ども自らが心を動かし、主体的に活動した時に、はじめて心は育って行くのです。
 幼児期における主体的活動の中核は「遊び」です。今回の教育要領でも改めて、幼児期に遊び込むことの大切さが示されています。「見えるもの」(数値で評価可能な能力)よりも、「見えないもの」(心の育ち・内面)の重視です。これらはキリスト教保育実践園として私たちがなによりも大切にしてきたことです。
 東北学院幼稚園の子どもたちはのびのび遊ぶ子どもたちだとよく言われます。しかし、遊びの中の学びが、やがて認知能力の獲得に意欲を持って向かう態度、《学びに向かう力》を作っていくという見通しが必要です。
 目の前の子どもたちが「しっかり遊んでいるか」、「その遊びは主体的・対話的なものか」、「遊びの中で何を楽しみ、何を学んでいるか」、「その学びをどのように探求・探究しているか」。その姿を基に「明日の保育をどう創るか、どう組み立てて行くか」。
 それらを常に考え、キリスト教保育実践園にふさわしい保育を日々実践できるよう、これからも教職員一同熱意をもって保育に励んで参ります。
 豊かで幸せな幼児期を過ごし、やがて大人になった時に『地の塩・世の光』として生きて行けるように。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。