東北学院幼稚園

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年頭所感-島内久美子園長-

2025年01月06日

つながる

 

 新春のお喜びを申し上げます。

 旧年中、皆さまより賜りましたご支援とご協力に心より感謝申し上げますとともに、本年も本園の教育活動にご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 昨年10月より、60年間ともに歩みを進めてきた旧多賀城キャンパスの解体が始まりました。次々と崩れていく校舎を見ているとあれこれ思い出し、つい淋しい気持ちになってしまいますが、子どもたちは違います。「カニクレーン車だ」「工事のおじさんすごいね」「新しいお家が建つのかな」と目を輝かせて見ています。ここは未来の子どもたちが生きる場所となるのですから、未来の子どもたちが住みよい街となるよう願いながら、最後の時まで見つめていきたいと思います。

 2024年度の本園の歩みは教育面において新たな連携活動を取り入れた1年となりました。まずは東北学院高等学校と連携し、生徒によるボランティア活動を月に2回から3回ほど受け入れました。高校生との関わりは、園児に世代間交流による刺激と満足感を与えてくれました。生徒の中には卒園児も参加しており、成長した姿を見ることができ大変うれしい活動となっています。また、本院宗教センターとの連携により礼拝の充実が図られ、また、東北学院大学で活動している宣教師の方に来ていただき、出身国の文化やことばを教えていただき、グローバルな視野を広げる取り組みなどを行っています。今後も連携活動を通じて、東北学院の設置校としてさらなる教育体制の充実に努めてまいりたいと思います。

 現在、幼児や児童をとりまく課題解決に向けて、2023年2月に「~幼保小の協働による架け橋期の教育の充実~」が取りまとめられ、これを踏まえ「幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方」に関する最終報告が昨年10月に出されました。

 また、2023年12月には子ども家庭庁を中心とし、おおよそ妊娠から小学校1年生までに当たる子どもの育ちを社会全体で支えていくために、「はじめの百か月の育ち」ビジョンが新たに閣議決定されました。この中には、子どもたちのウエルビーイングを目指すために、社会全体で共有し、支えていこうという内容が書かれていますし「~幼保小の協働による架け橋期の教育の充実~」には、「すべての子供のウエルビーイングを保証するカリキュラムの実現」ということが書かれています。

 ウエルビーイングという言葉は、世界保健機関憲章前文(日本WHO協会仮訳)の中に、「病気ではないとか弱っていないということではなく、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされた状態(well-being)にあることをいいます。」と書かれています。家族が子どもを守る時代から、社会全体で子どもたちを守る時代となったのでしょう。非常に大きな理想のように思いますが、目の前にいる子どもは、喜びや幸せを見出す力をすでに神さまからいただいています。あとはそれぞれの大人が、それぞれの目の前にいる子どもの幸せを願い、それぞれにできる手を差し伸べ、ともに笑顔で過ごすことで未来を支える子どものウエルビーイングにつながるのだと思います。

 最後になりましたが、皆さまのご多幸を心よりお祈り申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。